ん? やあ、久しぶりだ。え? そんなに間は開いてないだろうって? 言われてみれば確かにそうだね。しかしまぁ、さすがにこの記事もそろそろ書くことがなくなってきてしまったよ。以前の2回分の記事で俺の言いたいことは大体皆にも伝わっていると思うし、国内や海外のイベント結果などを参照しても件の予見者が何かしらの吉報朗報を俺の耳に届けてくれることはなさそうだ。新環境は確かにまだ始まったばかりで、このタイミングで悲観する必要もなさそうには思える。が、活躍の場が与えられないカードというのはいつの時代でも少なからず存在するもので、それがなまじパワーカードであるときはその悲しみはひとしおになる。だから俺はまず、結果ではなく結果を残せるかもしれない活躍の場を与えたいと思う。まずはこのリストを眺めてみてくれ。



4悪名の騎士
4瞬唱の魔道士
4吸血鬼の夜鷲
4ゲラルフの伝書使
4ダスクマントルの予見者
2強迫
2脳喰願望
4悲劇的な過ち
3夜の犠牲
3ディミーアの魔除け
2禁忌の錬金術
4ディミーアのギルド門
4水没した地下墓地
4湿った墓
2魂の洞窟
9沼
1島

1強迫
1脳喰願望
3死体焼却
2邪悪な双子
2否認
2ヴェールのリリアナ
2ネファリアの溺墓
2記憶の熟達者、ジェイス



ご覧のとおり黒青の中速型デッキだ。ミッドレンジと表現するにはやや攻撃力が乏しく思えるが、比較的アドバンテージを取りやすいカードを中心に構成してみたつもりだ。OK、1枚ずつカードの説明をしていこうか。

・悪名の騎士

コイツは非常に頼もしい。反面、ひどく脆い。環境に多く存在する【ロクソドンの強打者】や【修復の天使】を相手にしても真っ向から殴りあっていけるし、対処に困る【聖トラフトの霊】と半永久的に睨み合いを続けてくれる。自分が攻めに回れない時も隣の仲間をさりげなく強化してくれるし、このデッキではそれが絆魂によるライフゲインをささやかに増やしてくれたり、死を恐れないゾンビが果敢に立ち向かうことに一役買ってくれる。
だがもう1つの側面として、コイツには除去に対する耐性がまるでない。環境の主だった除去呪文が全て命中する上に、ブロッカーとしてカウントしたときはあまりにも非力だ。だがそれを補って余りある仕事ができると俺は信じているよ。

・瞬唱の魔道士

俺はとにかくアドバンテージを取れるカードが好きだ。それなのにコントロールデッキを好まないのは、経験不足とゲームが長引くことを俺自身が嫌う傾向にかるからだ。しかしコイツはその一括りにするにはあまりにもかけ離れている。何を隠そう、コイツはまず2マナのクリーチャーで2/1という最低限のサイズを兼ね備えている。その上で思わず2度見も辞さないほどにぶっ壊れたテキストが書かれてるじゃねぇか!
今回このデッキの構築にあたってクリーチャーの絶対数が通常のミッドレンジと称される多くのデッキよりも少なめにされているのは、コイツにその理由があるからだ。コイツは必要であれば2マナ2/1のアタッカーにもブロッカーにもなるし、3マナ、もしくは4マナの187能力を持った非常に嫌らしいシステムクリーチャーにもなれる。1枚のカードで複数の行動を起こすカードが俺は大好きだ。それが手札破壊やクリーチャー除去ならばなおさらね。

・吸血鬼の夜鷲

コイツもコイツで、初登場したのはしばらく前のゼンディカーの時代になる。当初テキストを見たときはこちらも2度見せずにはいられなかったものだ。だってそうだろ? 一体どこの誰が、黒のクリーチャーでこれだけのハイスペックなものが出てくると予想できただろうか。しかもそれがアンコモンだって話だ。ヘタなレアなんかよりもよっぽど頼りになるよね。
もう説明は不要だとは思うけど、このカードこそ攻守に渡って共に活躍できるカードと言えるだろう。まともにやりあってるだけじゃダメージレースでは負けないし、ヤバイ相手にはただ身構えているだけで攻め手を遅らせるor鈍らせることができる。コイツが2体揃って攻めと守りを担っているタイミングの安心感は素晴らしい。除去体制もそこそこと申し分ない。

・ゲラルフの伝書使

まず目を引くのはマナコストだ。その後皆は3/2というサイズを見て、そしてテキストを読み始めてまた驚愕する。コイツ、死なないんだけど大丈夫? ああ、全くもってその通りだ。最近では【火柱】で上手に焼けましたなんてことも多くなってきたけど、それを差し引いてもやはりコイツはおかしい。
コイツは非常に攻撃的なカードだが、逆に守りに回ったときは些か頼りない。タップ状態で出てくるのは明らかに守りを放棄しているし、タイミングによってはデッキの中で1番引きたくないカードになることも少なくないだろう。だが、このデッキはどちらかといえばこちら側から攻めていきたい構成になっているので、コイツの攻撃力は高く評価したい。安心して守りを任せておけるクリーチャーが横にいるというのも大きな理由の1つだね。

・ダスクマントルの予見者

コイツについては多くの時間と文字数を費やして俺なりの紹介をさせてもらったつもりだ。正直言って結論は今も変わらない。今の環境はコイツには不似合いで、周囲を見渡せば大小さまざまな障壁が山脈のように連なってコイツの前へ進もうとする歩みを拒んでいる。しかしそれだけでコイツが弱いという証明にはならない。環境に合っていないのだから、環境に合った使い方を模索するしかないわけだ。それができるほど俺はデッキ構築がうまくはないし、センスみたいなものは欠片も持ち合わせちゃいない。だから結局、こういう使い方しかできなかった。コイツに関してはこのデッキを組み上げた時点で全てが未知数だ。俺はこのデッキを脳内と紙の上でペンを走らせて構築したに過ぎず、ただの1度も試運転をしていない。だからここから先は、俺だけの仕事ではない。この記事を読んでくれて興味を持ってくれた皆の仕事だ。そうなってくれると良いなと、心から願っているよ。

・強迫、脳喰願望

この手の手札破壊はできることなら統一されているべきだと俺は思う。だが、今の環境には過去の【コジレックの審問】のような力強い手札破壊がないのと、デッキタイプによってはどちらか片方が完全に機能不全に陥ってしまう環境だ。前者はトリコフラッシュやコントロール相手にほぼ好きなカードを抜き捨てることができるが、クリーチャーデッキに対しては何もしない。後者は追放できるカードが4マナ以上である必要があり、その手のカードは大体どのデッキにも含まれてはいるが、前者以上に適切なタイミングでプレイすることを要求される。相手のデッキが分からない上の第1ターンにプレイするのを前提とした場合、この両者は前述した【コジレックの審問】に遥かに劣る。それでもこの環境ではこの両者が共に当たらないデッキと遭遇する方が少ないため、今回は2枚ずつ役割を分担して居場所を空けておいたわけだ。サイドボードにはもう1枚ずつ両者の居場所があるので、サイド後は相手のデッキをよく見極めたうえで入れ替えなどを行ってほしい。

・悲劇的な過ち、夜の犠牲、ディミーアの魔除け

これら3種類のカードはクリーチャー除去+@の枠だ。1つ目は主にウィニーやマナクリーチャーを倒すのに必要で、それは同時に相手のデッキの動きを1ターン遅らせるとともにゲームの流れをわずかばかりミッドレンジに引き寄せてくれる。2つ目は貴重な万能除去……だったんだけど、やはりどこかしらにゾンビや吸血鬼や狼男はいるわけで、それ以外に対しては破格の強さを持っている。そして3つ目は、どこかしらにいるであろうそれらに対しての答えともうあと2つの追加能力を持っている。そのうちの1つは【忌むべき者のかがり火】や【終末】を無力化させ、もう1つは相手の可能性を摘み取る役目を担っている。場合によってはそれが予見者と強力なシナジーを形成することもあるし、それによっては相手のライフを速やかに0に近付けてくれるだろう。そしてこれらは使い終わって墓地にあるときも常に、ある魔法使いの登場を心待ちにしているわけだね。

・禁忌の錬金術

正直、この手のデッキには1番不釣り合いなカードがコイツだろうと俺は思う。ではなぜ投入されているかというと、コイツがデッキ全体と相性がよく、足りない部分を補ってくれているからだ。4枚のカードを見れば大体有効なものが1枚くらいは見つかるだろうし、なければそれはそれで無駄なドローをするだけのターンを省いたことになる。欲しいカードが複数枚あったときでも、このデッキでは墓地にカードを落とすことにある程度の意味を持たせることができる。どのデッキでコイツを使うときも主な役割は変わらないが、攻めを継続させながら欲しいカードを探しに行けるという意味合いで俺はこのカードを使うことにした。

ここからはサイドボードだ。

・強迫、脳喰願望

前述したとおりの追加枠なので、特に説明は不要かな。相手に合わせて増減させれば問題はないだろう。

・死体焼却

これも見たままのリアニメイト対策だね。【墓堀りの檻】だと自分のデッキも苦しめてしまうので、状況限定ではあるがこちらを採用した。キャントリップがついているのも個人的には好みだよ。

・邪悪な双子

主な枠割はビートダウン相手の牽制と、伝説クリーチャーの相殺用だ。状況によっては自分の場の【ゲラルフの伝書使】になったり【吸血鬼の夜鷲】になったりもする。とりあえずあの忌々しい緑の5/3が見えたデッキなら入れておくことをお勧めするよ。

・ヴェールのリリアナ、記憶の熟達者ジェイス、否認、ネファリアの溺墓

これらのカードはコントロール用だ。デッキそのものはアグロ寄りな構成ではあるけど、通常のビートダウンと比較すればキルターンは明らかに後れを取るだろう。相手がコントロールデッキで、こちらの動きに合わせて行動をさばいていくのならば、別の勝ち手段を用意する必要がある。【ヴェールのリリアナ】は着地してしまいさえすれば+1を連打して奥義の繰り返しでいいし、【記憶の熟達者、ジェイス】と【ネファリアの溺墓】はライブラリーアウトという別の勝ち手段を提供してくれる。【否認】はそれをどうにかしようとするカードをどうにかしてくれる軽量カウンターということで採用した。枚数は抑えてあるけど、環境次第では増量も考えていいかもしれないね。



さて、それでは本当にこれで【ダスクマントルの予見者】に携わる大きな記事は最後になると思う。結局、これだ! と思えるような良い使い方は見つからずじまいとなってしまったが、それはそれで仕方がない。環境が変わり、メタゲームが移り変わる中でいずれ活躍の場が、適した環境が出来上がるかもしれない。そんな日が来ると願って、今はここでキーボードを叩く手を1度停めさせてもらうことにするよ。それではまた、どこかのトーナメント会場で会おう。バイバイ。

by harukana兄貴


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