私達がマルドゥを使う理由 -カラデシュの火、チャンドラ-
2015年9月28日 考察記事 コメント (4)カラデシュの火、チャンドラ/Chandra, Fire of Kaladesh
伝説のクリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)
あなたが赤の呪文を1つ唱えるたび、カラデシュの火、チャンドラをアンタップする。
(T):プレイヤー1人を対象とする。カラデシュの火、チャンドラはそのプレイヤーに1点のダメージを与える。このターンにカラデシュの火、チャンドラが3点以上のダメージを与えたなら、カラデシュの火、チャンドラを追放し、その後、これを変身させた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
2/2
燃え盛る炎、チャンドラ/Chandra, Roaring Flame
[+1]:プレイヤー1人を対象とする。燃え盛る炎、チャンドラはそのプレイヤーに2点のダメージを与える。
[-2]:クリーチャー1体を対象とする。燃え盛る炎、チャンドラはそれに2点のダメージを与える。
[-7]:燃え盛る炎、チャンドラは各対戦相手にそれぞれ6点のダメージを与える。これによりダメージを与えられた各プレイヤーはそれぞれ「あなたのアップキープの開始時に、この紋章はあなたに3点のダメージを与える。」を持つ紋章を得る。
4
もう間もなくスタンダードのローテンションは大きな変化を迎える。テーロスブロックの3つと基本セット2015が去ることにより、マルドゥは……そしてスタンダード環境は多くのものを失うことになるだろう。
中でも特筆すべきは、赤のお家芸とも言えるインスタントの2マナ3点火力が龍詞の咆吼しか残されていないということだ。スタンダードという大きな枠組で見れば大した問題ではないかもしれないが、赤系のアグロやミッドレンジデッキを愛するプレイヤーとしては、これは非常に由々しき問題だ。
ここで一度表題に話を戻す。今回取り上げたカードはマジック・オリジンに収録されている両面プレインズウォーカーの1人であるチャンドラだ。
上に彼女のテキストををそのまま記載してあるが、その変身条件は同時期に収録された他のプレインズウォーカー達と比較するとやや難しい。
これは私自身が犯してしまった間違いなのだが、彼女を変身させるためには起動型能力で与えたダメージがそのターン彼女の与えるで3点目以降のダメージでなくてはならないということだ。
少し前、私はこれを勘違いしてまず能力起動で相手に1点。その後赤の火力呪文で相手のブロッカーを排除、攻撃して2点を与えて彼女を変身させる……という誤った動きをしてしまった。
落ち着いて文面を見ればすぐに間違いだと気づくことが出来たのだが、それを気付かされたのはゲームが終わった後のことだった。
この出来事からも分かるように、彼女の変身条件はやや特殊で条件を満たしにくい。基本的に3ターン目に彼女を呼び出し、4ターン目の戦闘ダメージも込みで変身させるのがもっともダメージ効率が良いのだが、そのためには彼女の目の前に立ち塞がる彼女より強大なブロッカーを戦闘中に……より正確にはブロッククリーチャー指定ステップに入る前に倒す必要がある。
そのために必要とされるのが【赤】で【インスタント】の【除去呪文】だ。
今までのスタンダードにはこれを満たすカードは少なくはなかった。上で挙げた龍詞の咆吼は言うまでもなく、稲妻の一撃にかき立てる炎まであったからだ。
しかしローテーション後の環境にはこの2種類の姿はない。極上の炎技はその名の通り極めて優秀な赤の4点火力だが、これはソーサリーだ。残念ながら戦闘中にプレイすることは叶わない。
戦乱のゼンディカーのカードリストにも隅々まで目を光らせてみたが、残念ながら採用に耐えうる赤の軽いインスタント火力は存在しなかった。ローテーション後はわずかに乱撃斬と龍詞の咆吼が残るだけだろう。だが肩を落とすのはまだ早い。それらはあくまで赤単色のインスタント火力の話だ。はじける破滅やコラガンの命令もまた赤の呪文であることを我々は忘れてはいけない。
振り出しに戻るようで申し訳ないが、そもそもにおいてカラデシュの火、チャンドラはプレイするに値するカードであるかどうかという疑問があるだろう。もちろんこれは個人によって回答は異なるが、私は自信を持ってプレイするに値する強力なカードであることを断言できる。
理由として上げるのはこのカードのダメージ効率の凄まじさだ。彼女を変身させるためには最大効率で考えても戦闘で2点、その後の起動型能力で1点のダメージを対戦相手に与える必要がある。
これを効率良く満たせるカードが前述した赤いインスタント除去だ。そしてはじける破滅はそれに該当する中でおそらく最高のカードの1枚だろう。
簡単な例を出すことにする。
3ターン目にチャンドラをプレイし、除去されずにターンが帰ってきたとする。戦闘フェイズに入り、彼女の目の前に立ちはだかる敵が乱撃斬で打ち倒せるのであればそれを。そうでない場合ははじける破滅を使って道をこじ開けよう。
まず彼女は戦闘中に自身の誘発型能力でアンタップされ、そのまま2点の戦闘ダメージを与える。その後起動型能力で1点のダメージを追加で叩きこめば変身は完了だ。
おっと、まだ終わっちゃいない。変身後の彼女は新たな能力を使うことができるので、必要に応じて相手にさらなる2点を叩き込むか、小型クリーチャーを除去するかを考えよう。
仮にここで+1能力で相手に2点のダメージを与えたことを選んだとする。するとどうだろう。彼女は変身こそしたものの、彼女という1枚のカードで実に5点ものダメージをこのターンで対戦相手に与えたことになる。他のカードとの組み合わせがあったとはいえ、このダメージ効率は非常に大きい。はじける破滅ならさらに2点が、龍詞の咆吼のボーナス込みならさらにもう3点削れているのだから。
また、彼女が変身した後も対処されにくいというのも強みだろう。英雄の破滅はスタンダードを去り、インスタントタイミングで対処できるカードは限られている。+1能力を使った後なら忠誠値も5と高く、包囲サイの一撃にも耐えることが出来る。タフネス2以下の脅威は自身で取り除くことができるので、生存率はかなり高いと判断できる。
そして奥義もまた現実的に目指せる上に、一度相手に紋章を与えれば継続的なダメージが約束される。おそらく紋章から最初のダメージを受ける頃には対戦相手も消し炭になっていることだろう。
さらに言うなら、戦闘ダメージ込みでの変身は確かにもっとも効率がいい。しかし、かといって変身をそれだけに頼る必要もない。彼女は赤の呪文さえ唱えればアンタップが可能なのだから、雷破の執政などを唱えることでもでも継続的にダメージ源として活躍してくれる。場合によっては2枚の赤いカードと組み合わせて起動型能力を3回使い変身することも少なく無いだろう。もちろん、変身が早いターンであればあるほどより大きなプレッシャーを与えることが可能だ。
さあ、もういいだろう? 思考囲いとゴブリンの熟練扇動者と嵐の息吹のドラゴンにお別れは済ませたかい? 悲しむことはない。出会いがあれば別れがあるのはMTGの世界だけじゃあないんだ。
マルドゥは多くのものを失ったが、代わりにまたかけがえのないものを手の入れたのかもしれない。それが彼女であるという保証はないが、私はそうであってほしいと願って60枚の中に彼女4枚分の居場所を用意した。
おそらく、多くの人達が彼女を知っているだろう。そして同時に多くの人が彼女の変身した姿をまだ知らないはずだ。もしそうであるのなら、ぜひ彼女とともに次のスタンダードを渡り歩いてみてほしい。多かれ少なかれの不要さは必ず感じることになるだろう。それでもまずは1度だけでいい。彼女をあなたの手で変身させてみてしい。
そして願わくば、それがあなたの【マルドゥ】の中でありますように。
伝説のクリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)
あなたが赤の呪文を1つ唱えるたび、カラデシュの火、チャンドラをアンタップする。
(T):プレイヤー1人を対象とする。カラデシュの火、チャンドラはそのプレイヤーに1点のダメージを与える。このターンにカラデシュの火、チャンドラが3点以上のダメージを与えたなら、カラデシュの火、チャンドラを追放し、その後、これを変身させた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
2/2
燃え盛る炎、チャンドラ/Chandra, Roaring Flame
[+1]:プレイヤー1人を対象とする。燃え盛る炎、チャンドラはそのプレイヤーに2点のダメージを与える。
[-2]:クリーチャー1体を対象とする。燃え盛る炎、チャンドラはそれに2点のダメージを与える。
[-7]:燃え盛る炎、チャンドラは各対戦相手にそれぞれ6点のダメージを与える。これによりダメージを与えられた各プレイヤーはそれぞれ「あなたのアップキープの開始時に、この紋章はあなたに3点のダメージを与える。」を持つ紋章を得る。
4
もう間もなくスタンダードのローテンションは大きな変化を迎える。テーロスブロックの3つと基本セット2015が去ることにより、マルドゥは……そしてスタンダード環境は多くのものを失うことになるだろう。
中でも特筆すべきは、赤のお家芸とも言えるインスタントの2マナ3点火力が龍詞の咆吼しか残されていないということだ。スタンダードという大きな枠組で見れば大した問題ではないかもしれないが、赤系のアグロやミッドレンジデッキを愛するプレイヤーとしては、これは非常に由々しき問題だ。
ここで一度表題に話を戻す。今回取り上げたカードはマジック・オリジンに収録されている両面プレインズウォーカーの1人であるチャンドラだ。
上に彼女のテキストををそのまま記載してあるが、その変身条件は同時期に収録された他のプレインズウォーカー達と比較するとやや難しい。
これは私自身が犯してしまった間違いなのだが、彼女を変身させるためには起動型能力で与えたダメージがそのターン彼女の与えるで3点目以降のダメージでなくてはならないということだ。
少し前、私はこれを勘違いしてまず能力起動で相手に1点。その後赤の火力呪文で相手のブロッカーを排除、攻撃して2点を与えて彼女を変身させる……という誤った動きをしてしまった。
落ち着いて文面を見ればすぐに間違いだと気づくことが出来たのだが、それを気付かされたのはゲームが終わった後のことだった。
この出来事からも分かるように、彼女の変身条件はやや特殊で条件を満たしにくい。基本的に3ターン目に彼女を呼び出し、4ターン目の戦闘ダメージも込みで変身させるのがもっともダメージ効率が良いのだが、そのためには彼女の目の前に立ち塞がる彼女より強大なブロッカーを戦闘中に……より正確にはブロッククリーチャー指定ステップに入る前に倒す必要がある。
そのために必要とされるのが【赤】で【インスタント】の【除去呪文】だ。
今までのスタンダードにはこれを満たすカードは少なくはなかった。上で挙げた龍詞の咆吼は言うまでもなく、稲妻の一撃にかき立てる炎まであったからだ。
しかしローテーション後の環境にはこの2種類の姿はない。極上の炎技はその名の通り極めて優秀な赤の4点火力だが、これはソーサリーだ。残念ながら戦闘中にプレイすることは叶わない。
戦乱のゼンディカーのカードリストにも隅々まで目を光らせてみたが、残念ながら採用に耐えうる赤の軽いインスタント火力は存在しなかった。ローテーション後はわずかに乱撃斬と龍詞の咆吼が残るだけだろう。だが肩を落とすのはまだ早い。それらはあくまで赤単色のインスタント火力の話だ。はじける破滅やコラガンの命令もまた赤の呪文であることを我々は忘れてはいけない。
振り出しに戻るようで申し訳ないが、そもそもにおいてカラデシュの火、チャンドラはプレイするに値するカードであるかどうかという疑問があるだろう。もちろんこれは個人によって回答は異なるが、私は自信を持ってプレイするに値する強力なカードであることを断言できる。
理由として上げるのはこのカードのダメージ効率の凄まじさだ。彼女を変身させるためには最大効率で考えても戦闘で2点、その後の起動型能力で1点のダメージを対戦相手に与える必要がある。
これを効率良く満たせるカードが前述した赤いインスタント除去だ。そしてはじける破滅はそれに該当する中でおそらく最高のカードの1枚だろう。
簡単な例を出すことにする。
3ターン目にチャンドラをプレイし、除去されずにターンが帰ってきたとする。戦闘フェイズに入り、彼女の目の前に立ちはだかる敵が乱撃斬で打ち倒せるのであればそれを。そうでない場合ははじける破滅を使って道をこじ開けよう。
まず彼女は戦闘中に自身の誘発型能力でアンタップされ、そのまま2点の戦闘ダメージを与える。その後起動型能力で1点のダメージを追加で叩きこめば変身は完了だ。
おっと、まだ終わっちゃいない。変身後の彼女は新たな能力を使うことができるので、必要に応じて相手にさらなる2点を叩き込むか、小型クリーチャーを除去するかを考えよう。
仮にここで+1能力で相手に2点のダメージを与えたことを選んだとする。するとどうだろう。彼女は変身こそしたものの、彼女という1枚のカードで実に5点ものダメージをこのターンで対戦相手に与えたことになる。他のカードとの組み合わせがあったとはいえ、このダメージ効率は非常に大きい。はじける破滅ならさらに2点が、龍詞の咆吼のボーナス込みならさらにもう3点削れているのだから。
また、彼女が変身した後も対処されにくいというのも強みだろう。英雄の破滅はスタンダードを去り、インスタントタイミングで対処できるカードは限られている。+1能力を使った後なら忠誠値も5と高く、包囲サイの一撃にも耐えることが出来る。タフネス2以下の脅威は自身で取り除くことができるので、生存率はかなり高いと判断できる。
そして奥義もまた現実的に目指せる上に、一度相手に紋章を与えれば継続的なダメージが約束される。おそらく紋章から最初のダメージを受ける頃には対戦相手も消し炭になっていることだろう。
さらに言うなら、戦闘ダメージ込みでの変身は確かにもっとも効率がいい。しかし、かといって変身をそれだけに頼る必要もない。彼女は赤の呪文さえ唱えればアンタップが可能なのだから、雷破の執政などを唱えることでもでも継続的にダメージ源として活躍してくれる。場合によっては2枚の赤いカードと組み合わせて起動型能力を3回使い変身することも少なく無いだろう。もちろん、変身が早いターンであればあるほどより大きなプレッシャーを与えることが可能だ。
さあ、もういいだろう? 思考囲いとゴブリンの熟練扇動者と嵐の息吹のドラゴンにお別れは済ませたかい? 悲しむことはない。出会いがあれば別れがあるのはMTGの世界だけじゃあないんだ。
マルドゥは多くのものを失ったが、代わりにまたかけがえのないものを手の入れたのかもしれない。それが彼女であるという保証はないが、私はそうであってほしいと願って60枚の中に彼女4枚分の居場所を用意した。
おそらく、多くの人達が彼女を知っているだろう。そして同時に多くの人が彼女の変身した姿をまだ知らないはずだ。もしそうであるのなら、ぜひ彼女とともに次のスタンダードを渡り歩いてみてほしい。多かれ少なかれの不要さは必ず感じることになるだろう。それでもまずは1度だけでいい。彼女をあなたの手で変身させてみてしい。
そして願わくば、それがあなたの【マルドゥ】の中でありますように。
コメント
変身を果たした彼女の横に幼き日の彼女がまた対戦相手を消し炭にするために炎の魔法を唱え続けるから。
そこまでせんでも勝てるからOK
おっしゃる通り、ダメージを与えるスピードがハンパじゃないですし、赤単のような手数の多いデッキだと戦闘に頼らず変身することも現実的です
にしても、最後に「包囲サイを使ったデッキを検討中です」というオチを期待してしまった自分がいるwww
おそらく赤単で使うチャンドラがもっとも強力だろうとは思います。それだけに軽い火力がないのは悲しいですね。
アブザンも組んだので非常口は大丈夫です。